N e w s & I n f o r m a t i o n

2024.4.3
濫觴201号を発行しました。
2024.4.3
英国国際教育研究所は創立35周年を迎えました。世界が大きく変わろうとしている今、わたしたちは教育の可能性を信じて、ささやかながら、確かな歩みを続けます

2023.4

各種オンラインコースを開講中

2023.4

自宅にてマイペースで学習

毎月1日または15日からスタート

注 目 イ ベ ン ト

2023.6.1
ネットで視聴!日本語教師養成課程講座説明・公開講義
公開講義・ことばのセミナー「教えるための言語分析の視点」
開催日程・お申込みはこちら
2020.8.20
表面張力 ― ことばと教育から現代社会を考える<第3回>
8月15日(土) 対談 教育の現在
ゲスト:浪本勝年立正大学名誉教授/日本教育政策学会元会長 x ホスト:図師照幸英国国際教育研究所所長
Youtubeでご覧いただけます。
2020.4.20
表面張力 ― ことばと教育から現代社会を考える<第2回>
4月17日(金) 対談 小学校英語教育と言語習得
ゲスト:若林茂則中央大学教授 x ホスト:図師照幸英国国際教育研究所所長
Youtubeでご覧いただけます。
2020.4.10
表面張力 ― ことばと教育から現代社会を考える<第1回>
(ロンドンと世界をつなぐオンライン・フォーラム)
4月7日(火) 対談 コロナウイルスと教育①
ゲスト:若林茂則中央大学教授 x ホスト:図師照幸英国国際教育研究所所長
Youtubeでご覧いただけます。

活 動 一 覧



London College of Education, Graduate School(LCE-GS)

日本語教師養成課程・児童英語教師養成課程を開講しています。



London Language Centre

英国政府国際文化交流機関The British Council認定の英語講座、外国語としての日本語講座を開講しています。



こどもの未来研究室

教育の原点ともいうべき子どもたちの教育について研究や実践活動を行っています。



日本語教育協議会
日英の教育と文化に関する研究協議会

言語学・言語教育や国際教育等に関する研究団体・学会の本部です。



国際教育講演会
国際教育シンポジウム

国際教育に関する講演会を英国及び日本で開催しています。



国際言語教育賞(伊藤克敏賞)

言語教育の世界で地道に活動し、その実績を挙げている個人・団体を対象としています。



英国の公的試験センター

英国の統一試験であるGCSEやGCE-Aレベルを実施する国の公的試験センターです。



英国留学サポートセンター

大学、小・中・高校、専門学校、語学学校等への留学をサポートします。



出版局

在学生・卒業生の皆様へのお知らせ

在学生・卒業生の皆様への各種お知らせです。こちらをご確認ください。

連載コラム

図師照幸の日本語を歩く316
普通にうまい

午後7時、今日も居酒屋に陣取る3人組、話題は大阪万博である。「70年の大阪万博は盛り上がったんだけどね、来年の万博はも一つだな」 と下やん。「でも、空飛ぶ自動車が飛ぶんでしょ?」 と日本一の保育園の園長の大くんが訊く。「大くん、それがね、どうやら自動車じゃないようだよ」 と博学(と本人だけが云っている)のNくんがいう。「えッ、大阪の市長さんがたびたび胸を張って、万博会場を飛び回るんだっていってましたよ」「大よ、大阪じゃな、イソジンでコロナを治したり、雨合羽で防いだりはできるようだけどな、そう簡単には車は空を飛ばないぜ。第一、道路を走れないものを車っていうの?」「えッ、走れないんですか?」 「外国ではすでに、翼が車に収納される空飛ぶ車が開発されているようだけれどね」 と博学のNくん。焼き鳥が運ばれてくる。それまでの話題は、いともたやすく消えていく。すばやく串の数を数えたNくん、「あ、」と思わず声をあげる。Nくんの心を読んだ下やんがいう、「心配するな、Nよ。10は3では割り切れないと思ってるんだろうが、オレが1本余計に食べてやるからよ。けど、会計はきちんと3で割ろうな」 早速手を伸ばして口に運んだ大くんにNくんが訊く、「どう、うまい?」「ウン、普通にうまい」「じゃ、ぼくも」 「おい、おい、待てよ、労働者諸君!」 と下やん、「普通にうまいって、なんだよ? あんまりうまくねえのかよ?」 「は? うまいですよ。なんか変ですか」 ▶普通にうまい:最近よく耳にするこのいい方、ぼくも何をいっているのか、よくわからない。芥川賞作家の平野啓一郎は 「この表現がおかしいと感じたり、意味が分からないとする方がおかしい」 という。「一般のだれもが 『おいしい』 と同意するであろうような味の食べ物(あるいはその水準に達している食べ物)を食したときに、現代人は『普通においしい』と言うわけです」 と彼のブログで書く(原文のまま)。そうかぼくは 「現代人」 ではなくなっているのかと少々落胆しながら、「まてよ」とも思うのだ。平野の「その水準に達している食べ物」ってことは、従来の「普通」という意味と同じじゃないか。「うまくもまずくもない」 という意味じゃないか。けれども、平野のいう「現代人」が使っているこのことばの意味は、「けっこううまい」 とか 「かなりうまい」 といった響きを持っているのだ。高評価なのだ。もともと 「普通」 といった言葉には、「並」(「新明解国語辞典」)の意味もあり、「上」 でも 「特上」 でもないといったややマイナスの響きさえある。「あの人は普通の人」 という表現は、あまり誉め言葉とはいえまい。だからぼくは、 「現代人」 ではなくったっていいから、このいい方を認めない。(2024.5.6)


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